2015年01月23日

メバル3種 Sebastes ventricosus, S. cheni, S. inermis

genus Sebastes
(上)クロメバル Sebastes ventricosus
(中)シロメバル Sebastes cheni
(下)アカメバル Sebastes inermis


同じ釣り場で同じように竿を出していても、あっちのおじさんはよく釣るのにこっちはなかなか釣れない、というようなことは普通にある。「腕」は思った以上に釣果を左右するのだ。魚の居場所を探り当てる嗅覚、魚が思わず警戒心を解いて喰らいついてしまうような誘いかけ、狙う魚の種類や大きさ、その他あらゆるコンディションに応じて最適な餌や仕掛けを選択する判断力。それら無数の「行為」の積み重ねが一本のテグスを通じての魚とのやり取りなのだから、釣り人によって結果が違ってくるのはごく当たり前のことだ。

魚の方にもまた、種ごとにクセがある。身体的な機能の違いはもちろん、好奇心が強いか弱いか、餌を慎重に突つくのか豪快に呑み込むのか、ひとところに留まるのか絶えず移動するのか。魚が釣り針に掛かるのも、クセに基づく魚たちの「行為」の総合的な結果であるとすれば、釣り人と魚それぞれの「行為」の間には相性というものが生まれてくる。この釣り場では○○がよく釣れると聞くけれど、自分には△△ばかりが釣れる、というような。

チューバ奏者の高岡大祐さん、それにMさんと一緒に真鶴で釣りをした。僕はどこへ行っても専ら岸壁沿いの小物釣りが好きなのだけれど、お二人は輪をかけてのヘチ釣り師で、太鼓リールの短竿で丹念に岸壁を探っていく。
高岡さんはテトラポッドやケーソンの足場の悪さを厭わない。一方のMさんは僕と同じく、主に足場の良いところで釣り糸を垂れていた。絶えず、チャガラやカサゴが竿先を震わせる。

夕方になって、隣りでMさんが立て続けに小さなメバルを釣った。それまでメバルの気はまるでなかったから、「あ、ここはメバルもいるんだ」と思うとともに「メバルが釣れる時間帯になってきたんだな」と思った。僕の竿にもじきにメバルが掛かるだろう。そう期待しながら辺りを念入りに探ってみるのだけれど、釣れてくるのはカサゴやハオコゼばかり。結局その日最後までメバルは僕の仕掛けには食いついてくれなかった。僕の「行為」は、メバルたちにはお気に召さないものとして映ったらしい。高岡さんとMさん、それぞれがメバルを釣り上げるのを羨ましく思いながら、夜の真鶴を後にした。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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