2015年04月03日

アイナメ Hexagrammos otakii

Hexagrammos_otakii

友人夫妻に誘ってもらって、函館へ旅行した。
手配してもらったホテルを地図で見ると、一抹の期待をそのまま表したかのように海の目の前だった。一泊しての明け方、少し釣りができるかもしれない。冗談半分でそうメールしたら、夫妻それぞれからすぐに「旅行日付近の気象情報」「ホテル裏の海のストリートビュー写真」が送られてきた。さらにいよいよ出発が近づいて友人が送ってくれた旅程表には「早朝 長やんが釣り」と書かれてあって、二人の優しさがしみじみと心に響いた。

実際、ホテルから2、3分も歩くと綺麗な岸壁の海だった。着いた日の夕方、少し時間が余ったので海の様子を見に行った。風が強くて肌寒かったけれど、妻が付いてきてくれた。ワームを沈めてみると、赤い海藻が針に掛かってきた。アタリはなかったし、地元の人らしきおじさんにそこじゃ釣れないよとかその竿じゃ厳しいよとかいろいろ言われたけど、魚が居そうな気配はたっぷりだった。ワームよりエサ釣りの方がいいかもしれない。そう思ってホテルの前のお土産物屋さんでイカの塩辛を買い、ワクワクした気分のままその後の夜の旅程を楽しんだ。函館山の夜景は確かに素晴らしかったし、友人が早々と予約してくれていた「北海道一うまい」お寿司屋さんのお寿司は本当に美味しかった。

深夜、海へ向かった。塩辛を針に掛けて仕掛けを沈めると、真昼の真鶴かのようにすぐに魚信があって、一気にアドレナリンが噴き出した。それきりアタリは途絶えたけれど、小一時間辛抱強く岸壁を探り回ると、ついに魚が針に乗った。だらりと伸ばしたイカの切り身を端から食べていったことが分かる、イカの弾力含みのグングン、というアタリだった。夕方、おじさんに「その竿じゃ厳しいよ」と言われていたいつもの短竿が弓形にしなって、真っ暗な海からすぽんと大きな魚体が揚がった。オレンジ色の街灯の下で、アイナメのつるりとした頭がてらてら光っていた。旅行の「ついで」の釣りで、現地調達のイカの塩辛で、本当に釣れた!寒さを忘れて興奮して、ホテルの妻に電話をかけた。手の中の30センチのアイナメはしなやかでいてどっしりとした肉付きで、細かな鱗の手触りがざりざりと心地好かった。

それからは岸壁十数メートルごとに魚信を楽しみつつ、やや小振りのアイナメをもう一尾。いったんホテルに戻って2時間ほど眠って、早朝再び出た海でまた一投めからアタリを味わってもう一尾釣り上げた。合計3尾。釣果以上に濃厚に魚の気配を感じ続けて、北海道の海の豊かさを思う存分堪能した。その後はかすかな眠気を感じながら朝市を見に行って、優しい友人夫妻との朝食を楽しんだ。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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