2015年08月14日

ヤリタナゴ、ほか同属二種 genus Tanakia

genus Tanakia
ヤリタナゴを含む、アブラボテ属 genus Tanakia の面々
(上)ヤリタナゴ Tanakia lanceolata
(中)ミヤコタナゴ Tanakia tanago*
(下)アブラボテ Tanakia limbata


岡山の妻の実家へ帰省すると、すぐ近くの水路で魚をすくったり釣ったりするのがお決まりの楽しみになっている。きっかけは2014年の正月だった。ちょこまか泳ぐ小魚を岳父のたも網で戯れにすくってみると、入ったのは青く輝くうろこが整然と並ぶヤリタナゴだった。ゴミが浮かぶ三面護岸のものとは思えないその美しさに、すっかり夢中になった。

それ以来、帰省のたびにヤリタナゴとの再会を期待していそいそ水路へ向かうのだけれど、ある時は美しいオスが見えていながらすくうことができず、またある時はタナゴたちがすっかり姿を消していて、なかなか手にすることができない。帰省はせいぜい年に2、3回のことだから、空振りすれば次のチャンスは数カ月先になってしまう。後ろ髪を引かれながら東京へ戻る、ということが続いた。

そしてこの夏の帰省。タナゴ釣りの仕掛けとエサを準備万端整えて、ついにヤリタナゴを再び手にすることができた。釣り上がった瞬間のタナゴの仲間らしからぬシャープな体型に、ワーッと頭に血が上った。色の方はうっすらだけれど、尻びれの赤がこの種らしさを主張して格好いい。こうして憧れの魚を手にするたびに、この川や海がいつまでもかれらのいい住処であってほしい、と思う。
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*遺伝的アプローチにより、ミヤコタナゴを新たに別属とする説が提唱されているとのこと。



 
posted by uonofu at 18:00| Comment(3) | 魚の譜
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