2015年11月06日

ウミタナゴの仲間 Ditrema spp.

Ditrema_spp
(上)マタナゴ Ditrema temminckii pacificum
(中)ウミタナゴ Ditrema temminckii temminckii
(下)アオタナゴ Ditrema viride


川魚のタナゴの類に似た体形と顔つきなのでウミタナゴ。小学生の頃、忠岡港での釣りでよく出会ったものだけれど、後に分類が変わって当時釣っていたものは亜種のマタナゴだということになった。マタナゴ、という名前になってしまうと川魚のタナゴとの区別を示す分かりやすい目印がなくなってしまうので、誤解を招きそうでなんだか口にしたくない名前だなと思っている。

川のタナゴのような艶やかさはないけれど、海のタナゴもよくよく見ると随分美しい。鱗の一枚一枚が青みがかったり赤みがかったり、ひれに鮮やかな黄色が差されていたり。

三浦半島の、近くに地磯がある砂底の漁港(三浦半島はとにかくそういう漁港だらけだ)でよく釣れる。中層に餌を漂わせた延べ竿を、ヒィンという竿鳴りととともに勢いよく引き込んでくれる。その釣り味はいいのだけれど、おちょぼ口に似合わず一気に喉奥まで餌を吸い込むような食べ方をするのか、簡単に針を飲みこんでしまう。しかも釣り上げられるショックに弱いようで、さほどダメージなく針を外してもバケツに入れるとおなかを見せてプカンと浮いてしまうことが多い。しばらく経つと正気を取り戻してきちんと泳ぎ始めるのだけど、最初の頃はダメにしてしまったか…と思って近くで待ち受けるネコにあげてしまったこともあった。

つい先日、その三浦半島の間口漁港でマタナゴが入れ食いになったことがあった。釣るなり針を外して即海に返す、というのを繰り返していたのだけれど、釣られたショックかダメージか、しばらく波間で白い腹を見せてふわふわ漂ったものがいた。すると突如、視界の左側から巨大な茶色の塊が飛び込んできて、魚体をさらうと悠々と飛び去った。上空で目を光らせていたらしきトビだった。そのあまりの大きさと、それに似つかわしくない軽やかでバネのある動きが、しばらく目に焼き付いて離れなかった。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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