2015年11月20日

ハタハタ Arctoscopus japonicus

Arctoscopus_japonicus

ハタハタ、似た仲間が思い当たらない不思議な魚。この間築地で見たときもそう思ったし、たまたまその数日後、近所のスーパーで半額になっているのを手に入れてまた思った。

「変わった魚はみんなトゲウオ目を疑え」という乱暴な自分ルールに当てはめてみてから答え合わせ。するとトゲウオ目はハズレ、スズキ目ハタハタ科とのこと。
拍子抜けしつつWikipediaを読んでいると、「ミトコンドリアDNAの解析によればカジカに近縁」とある。そこで「あっ!」ハタと、否、ハタ×2と膝を叩いた。大きな受け口、意外に鋭くて本数の多いえらぶた周りの棘、根元から幅の広い大きな胸びれ、そして胸びれの下のほうの何本かの軟条は短くて、ひょっとしたらカジカやカサゴのように海底で踏ん張るための爪状になっていたかもしれないと思わせる。中層よりは海底で体を支えるのに向いていそうなやや幅狭で強度のある腹びれ、鱗のないつやんとした体、肛門より後ろは長くて白くてつるんと皮が剥けそうで、そこにややくし状に分離した先端を持つ尻びれが長々とついている。
あらためてカジカの仲間の写真を見返しても、そんな要所要所がすごく似た気配を持っている。しかも日中はあまり泳ぎ回らずに、カジカ同様海底で過ごしているというではないか。

これはあくまで答え合わせしてからの後出しじゃんけんだし、こうした研究は日進月歩だからカジカに近縁というのが本当に正しいということになるのかも分からない。形態だけでなく遺伝子が分類学の対象になって、「何をもって似ていると判断するか」はどんどん複雑になっているみたいだ。
ただ、何にも似てないなと思ってたハタハタに突如カジカの遠い面影が見えて、この種に流れてきた時間を想像するのが楽しくなった。カジカがCGっぽくトランスフォームしてハタハタになるのを頭に浮かべつつ、この味も「ナベコワシ」の異名を持つ*カジカ譲りだろうかと舌鼓を打った。

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*一部の地方では、あまりにおいしくて必死でなべを突つくのでなべが壊れるといってこう呼ばれるそう。
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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