2016年04月22日

ハモ Muraenesox cinereus

Muraenesox_cinereus

食の好み、特に「嫌い」や「好きじゃない」を言うときは、自分がその食材のベストに出会っていないだけではないかと疑ってみるのがいい。僕は食べ物の「嫌い」があまりないのだけれど、「特に好きでもない」は誰しもそうであるようにいくらでもあって、ハモも微妙にその中に含まれている。そしてやっぱり、まだベストのハモに出会ってないんだろうなと思っている。

大阪にいたころ特に意識したことはなかったけれど、ハモはとにかく上方のものらしい。確かに、夏の風物とまでは言わないけれどひと夏に一度くらいは、湯びきに梅肉をのせたものが食卓に上がっていた気がする。庶民の味だということだけれど、わが家ではきっとデパ地下なんかで買い物をして、ちょっと贅沢したときのメニューだったに違いない。ただ、子どもの僕はなんだか水っぽくてあまり味のないものだと思っていた。

大人になってからも何度かハモに出会っているはずだけど、「これは!」という体験はまだしていない。今のところの最後は京都の錦市場。河原町からてくてく歩いて京都水族館に向かう道すがら、錦市場でハモ天の串を買って歩き食べした。ふわりとした舌触りの中にかすかに骨の名残を感じるのも好ましく、身は美味しかったのだけれど、残念なことに店の主人のなにわ風に逞しい商魂と、ノールックで盛大に振りかけられた塩のしょっぱさばかりが強く印象に残っていて、これでハモを語るのは気が引ける。
ハモの好き嫌いが本当に分かるのはまだもう少し先のことらしい。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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