その名の通りの、肉食魚らしい大きな口。
けれども肉食魚にとって口が大きいということは、より大きな獲物を飲み込めるということでごく当然に理に適っているから、けっして珍しいものではない。ではなぜこの魚がわざわざ「オオクチ」と名付けられたのかと言えば、それは鋭角的な吻がことさら印象的だったからではないだろうか。初めてこの魚を手にしたとき、三角形のシャープな鼻先から口がパックリと裂けるさまは「おお、確かにオオクチだ」と思わせるに十分な説得力だった。かっこいい!と、少年のような気持ちになった。
南方系の魚だから、石垣島へやってくるまではとんと縁がなかった。
描いてみて、なるほどこれは今までに知らなかった体型だと思った。スズキやオオクチバス(「オオクチ」ネームの代表格)といった肉食魚たちと基本的な形状は共通しつつも、異なる点を具体的に言うならば「尻びれの開始位置が前めで接地面(?)が長いため、体の後半に平たいボリュームがあるように見える」。この微妙な違いにどういう意味があるのかはわからないけれど、この魚がうっすらと濁ったマングローブ林の河口を泳ぐ姿を思い浮かべると、確かに絵になる似つかわしさがある。

ありがとうございます!潮が満ちたマングローブのイメージ、嬉しいです。
僕自身は一見地味な魚の中にいろんな色が隠れているのが好きです。
石垣島へ来てからは派手で綺麗な魚もいいものだと思うようになりました。