2016年12月09日

グアムカサゴ Scorpaenodes guamensis

Scorpaenodes_guamensis

いわゆる内地の港では、足下の岸壁沿いや消波ブロック周りに潜んで小魚やエビを食べる肉食魚の地位は、ソイやカサゴの類が担っている。僕はかれらいわゆる根魚たちの姿が大好きだったから、そういう場所ばかりを狙ってあちこち釣り歩いたものだった。

ところが石垣島へやって来てみると、同じような環境で幅を利かせているのはハタの仲間やメギスたち。ソイやカサゴの、いかにも肉食魚というつくりながらもクリクリした目や頬の膨らみに愛嬌ある顔立ちにはすっかりお目にかからなくなり、少し寂しく思っていた。

それがある晩、堤防の足下に沈めたサンマの切り身に食いついてきたのがこのグアムカサゴだった。1センチ四方の身エサも口に入りきらないほどの小ささ。そこでは同程度のハタの子も時折釣れていたので、一瞬そうかなと思ったのだけれど、懐中電灯に照らされた小さな魚体はハタよりもずんぐりとしていて、頭や口の周りにツンツンと棘や皮弁のようなものが飛び出していた。確かに、カサゴの類の姿形だった。

釣り上げたその時はなんという種か分からない。とにかく久しぶりに見たこの据わりよい体形にすっかり舞い上がって、バケツの中で手にとって何枚も何枚も写真を撮り、少し迷った挙句持ち帰ることにした。ひょいと手ですくって水槽に放すと、すぐにサンゴの陰に身を潜めた。初めてヨロイメバルを釣って、やはりその格好よさに惹かれて持ち帰ったおよそ20年前の兵庫県は垂水での釣りのことを、久々に思い出した。

この魚がグアムカサゴという名前であることと、背びれの棘には毒があって刺されると痛いということを教わったのはその後のことだった。うーん確かにこの背びれにはなかなかの毒々しさがあると、サンゴの陰の小さな魚体を眺めながら冷や汗を拭う思いだった。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: