2017年01月06日

青魚、六種 Blue-back fishes

blue-back_fish
マイワシ Sardinops melanostictus/カタクチイワシ Engraulis japonicus/サッパ Sardinella zunasi/マサバ Scomber japonicus/コノシロ Konosirus punctatus/サンマ Cololabis saira

「おれ、長嶋さんは青魚だと思いますよ」と言ってくださった方がある。僕が青魚っぽい、という意味ではなくて、僕の絵は青魚に「良さ」がある、という意味だ。

確かに、魚を描きたいと思った原点はマサバの背の美しさと顔の可愛さにある。青魚の魅力は結局その2点に帰着するのではないかと思う。様々な階調の透明な青と金属光沢が織りなす体表のきらめき。弱さ脆さと前向きな楽観が同居する独特の表情。

圧し潰されそうに広大な青の空間の中を、けぶる背景に身をとけこませた群れがゆく。身を潜めるもののない海で、死ぬまで途切れることなく続く過酷な旅だ。けれども群れを動かしているのは、互いを頼り合う不安の気持ちではなく、むしろ逞しく健気な無頼なのではなかろうか。青魚たちの楽観含みの顔貌を見ていると、そんな心のありようがかれらの生きざまを支えているんじゃないかという気がしてくる。そんなことに思いを寄せながら描く魚たちにもし僕の絵の良さがあるのだとしたら、それほど嬉しいことはない。

 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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