2017年03月10日

カツオ Katsuwonus pelamis

Katsuwonus_pelamis

カツオとマグロの類とは近い親戚筋で、見た感じもよく似ている。以前石垣でマグロの水揚げを見学したとき、キハダやビンナガとともに揚がった12キロのそれはそれはみごとなカツオを見た。百貨店地下の鮮魚コーナーや築地場外市場で培われた僕の「カツオ観」を覆すほどの大物で、どすんと横たわった風格は小ぶりのマグロの類たちに引けを取らなかった。

カツオもマグロも、スーパーのお刺身コーナーで手軽にサクが手に入るもの同士だけれど、その愛され方はカツオの方が偏愛的だ。カツオ好き、で僕はすぐに二人ほどの顔を思い浮かべることができる。小粋な和食屋さんの昼定食で注文したカツオのたたきを「おれ…カツオめっちゃ好きやねん、カツオめっちゃええやんか…」と呻くように呟きながら嚙みしめる会社員時代の先輩。またあるいは、カツオの回遊してゆく先々へ待ち構えるように旅行しては、旬のカツオを食べ続ける友人。これと似たような執念でマグロを愛する人を、僕は知らない。

カツオが偏愛されるのはマグロよりも独特の風味が強いことと、何より明確な旬があることによるのだろう。冷凍物ではない、生のカツオのサクが安価でスーパーに並び始めると、この季節が来たか!という気持ちになる。その点、年中なんとなく食べられているマグロは気の毒だ。数が減っているとも言われることだし、カツオのように熱烈に愛されるようもう少し「出し惜しみ」してみてもいいのではないか。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: