2013年04月19日

カクレクマノミ Amphiprion ocellaris

Amphiprion ocellaris
カクレクマノミ Amphiprion ocellarisと、クマノミ亜科 Amphiprioninaeのなかまたち

クマノミの仲間が観賞魚としてポピュラーになったのは『ファインディング・ニモ』以降のことらしい。
ニモのモデルはカクレクマノミ(上段左)だと公式サイトにも書かれているけど、WEB上のあちこちに「…それは誤解で、ニモは本当はよく似た別種のクラウンアネモネフィッシュ(中段中)なのです」と書いてある。おそらく日本のディズニーはそんなこと当然承知の上で、日本でよく知られた「クマノミ」の名前を使うためにカクレクマノミだということにしてるのだろうから、「本当は…」みたいな話はちょっと面倒くさい。
中にはもう混乱して「ニモはクラウンアネモネフィッシュだということになってるけど、本当はカクレクマノミなのです」という逆バージョンの主張もあったりで、そういう逆転現象は自分の頭の中でもよく起こることだからなんとなく気持ちは分かる。

しかしクマノミと言えば、まずは何といってもニモよりも「イソギンチャクとの共生」で、理科の教科書で「共生」を説明するときは十中八九クマノミが取り上げられているのではないか。あまりにもそのイメージが強いので、もしこの先クマノミを飼うことがあるとしても、イソギンチャクなしに飼うことはちょっと考えられない(イソギンチャクなしでも問題なく飼育できるらしいけど)。

この機会に共生について調べてみると実に奥が深くて興味が尽きなかった。
昔習った記憶によれば、共生には3つのタイプがある。双方に利益のある「相利共生」、片方のみに利益のある「片利共生」、片方に利益・もう一方に害のある「寄生」。けれども最近の考え方では、共生とは硬直した特別な利害関係なのではなく、着眼点やそのときの状況や判断のスケール等によって様々に捉えうる、生態系の中の普遍的な関係であるらしい。

我々の細胞の中のミトコンドリアは、遥かに起源をたどれば細胞内に共生した別の細菌なのだと言うから本当に驚きだ。アリマキの細胞内には、そこでしか増殖できない細菌が2億年前から共生しているらしく、それもいずれはミトコンドリアのようにひとつの生き物の一部になっていくんじゃないかと思わされる。
人間の目から見れば、たった今どっちが得を、あるいは損をしているという種間の利害関係で共生を考えがちだけれども、超越的な視座から眺めてみれば、生物の進化というような大きなうねりの中の一つの現象をつかまえて、あれやこれやとこの場限りの意味付けして、理解したつもりになっているだけなのかもしれない。少し理解したと思ったら、すぐに「何もわかってない」と突きつけられる。だからこそ、自然科学は果てしなく人類を掻き立てるのだと思う。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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