2013年05月10日

タキベラ属の幼魚 juveniles of the genus Bodianus

juveniles of the genus Bodianus
(上段、左から)キツネベラ Bodianus bilunulatus / ケサガケベラ Bodianus mesothorax / スジキツネベラ Bodianus leucostictus
(中段、左から)シマキツネベラ Bodianus masudai / タキベラ Bodianus perditio / ヒレグロベラ Bodianus loxozonus
(下段、左から)モンツキベラ Bodianus dictynna / ヒオドシベラ Bodianus anthioides / スミツキベラ Bodianus axillaris


たいていの哺乳類の子どもが可愛らしいのと同じように、魚の子どもにも思わず身悶えしてしまうような愛くるしさがある。目ばかりぐるりと大きくて頭でっかちだけれど、ひれもえらも一丁前に大人と同じようなのを備え持っていて、生意気な顔で餌をつついたり欠伸をしたりする。そして透明感がすごい。人間の赤ちゃんと一緒で、まだ外界の刺激にさらされていない生まれたての瑞々しさがある。

タキベラの仲間は、子役が粒ぞろいだ。分類上、同じ「属」に属する魚たちの幼魚がこんなにもバリエーションに富んで、しかもそれぞれ可憐で美しいとなると、図鑑的に並べて眺める愉悦は深い。先日図書館で借りてきた『ネイチャーウォッチングガイドブック 海水魚』(誠文堂新光社)の著者もきっとそう感じていたのに違いない、タキベラ属は幼魚の写真入りで手厚く網羅されている。水中写真を撮る方の間でも人気の高い仲間らしく、いろんな方のブログでタキベラ属の幼魚たちの写真を見かける。

可憐な幼魚と、どっしりと重厚な成魚のギャップも魅力的だ。ベラというと、靴べらのような滑らかな形をして(それが語源なのかどうかは知らない)、ひらひら泳ぎ回っておちょぼ口で釣り餌を掠め取るキュウセンという種がまず頭に浮かぶけれど、タキベラの仲間たちは印象が違う。貫録のある体つきに、犬歯的な鋭い歯が突き出した大きな口、太い声が出そうな喉の広さ。特にキツネベラはその名に相応しく、尖った吻に大きく裂けた口が肉食獣を思わせて、幼いころの面影は腰に範囲を狭めて残された黒斑ぐらいしか見当たらない。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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