2013年10月11日

アロワナ arowana

arowana
(上)ブラックアロワナ Osteoglossum ferreirai 幼魚
(下)シルバーアロワナ Osteoglossum bicirrhosum 若魚


どっしりとした重みを感じさせる平べったい体を、センザンコウのような大きな鱗でびっしりと覆っている。「何色」という名前で言い表しにくい、どろりと濁った大河そのもののような色味。上向きに大きく裂けた顎、表情を窺いにくい鈍い視線。いかにも古代魚然とした重厚な風貌をしている。

この見た目を備えたアロワナの仲間は、ユーラシア・南アメリカ・オーストラリアの各大陸にそれぞれ生息している。大きく分ければユーラシア・オーストラリアのが兄弟分(学術的には「兄弟」ではなく、「姉妹」と表現するらしい)。南アメリカのは進化の過程で早めにその兄弟・姉妹たちと別れて違う道を歩み、少し遅れて現在の種として成立した。

南アメリカのアロワナはシルバーアロワナとブラックアロワナの2種。これは稚魚の頃の体色に基づいた命名で、大人になるといずれも似たような見た目になる。特に前者は古くから観賞魚として愛好家に親しまれてきたらしい。趣味人だった祖父が飼っていたという大きなシルバーアロワナのことを、母からよく聞かされた。現地では水面上に飛び上って昆虫を捕食するというそのジャンプ力で、フタと重しもろとも水槽の外に飛び出して死んだという。

土間に打ち付けられた大きな魚体が暴れるたびに、濡れた硬い鱗が三和土に擦れてザリザリという音を立てる。それを想像すると、祖父母が健在だった頃の生きた土間の風景が、多少黄色みを帯びてふっと頭に浮かんだ。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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