2013年10月18日

赤い魚 red colored fish

red colored fish

自らが魚を称賛する言葉を顧みると、「赤っ!」というのがまず頭に浮かんだ。真っ赤に色づいた魚を見た時に口を衝いて出る言葉だ。

魚の美しさの重要な要素となる「発色」には、その度合いを左右するいくつかの因子がある。その影響を恐らく最も受けやすいのが「赤」という色だ。赤のポテンシャルを持った魚は、それが最大限に発現した際には赤を通り越してもはや黒に近づいたアメリカンチェリーのような色にまでなるし、その同じ個体がケチャップの上澄みのような気の抜けた色になってしまうこともある。

魚の発色度合いを左右する因子には、あくまで一時的なものと長きに渡り影響を及ぼすものとがある。
一時的なものとしては、
●体調。元気な魚は強く発色し、不調を抱えると色褪せたり黒ずんだりする。「赤すぎて黒い」のと、不調で黒いのとは慣れれば簡単に見分けがつく。
●睡眠。寝ている魚は総じて寝ぼけたような薄い色になる。
●興奮。闘争や食餌行動時、見る見るうちに色みが増す。
●水質。その魚に適した水質でないと本来の発色が見られなくなる。広い意味では「体調」に同じ。
●環境色。底床が白い砂や剥き出しのガラス面のような、下から白く光を反射させるような環境下では赤に限らず多くの魚が色褪せる。

他方、長きに渡って影響を及ぼすものとしては
●婚姻色。上記の「興奮」に近いけれど、繁殖期の間その発色が持続する。特にオスに現れるケースが多い。
●食餌。例えば甲殻類を常食すると、そこに含まれる色素アスタキサンチンの影響で赤の発色が強まることがある。
●日光。発色が強まる一方、斑入りの金魚のようにメラニンの生成による「墨」が増えすぎるのを嫌う場合もある。
●個体差。受け継いだ遺伝形質により、発色の先天的なポテンシャルがそもそも異なる。

こういった様々な条件がすべて良い方向にピタリとはまった魚の美しさ、特に絵の具をべったりと塗ったかのように真っ赤に発色した魚の凄みには思わず熱っぽい称賛の言葉が漏れてしまう。赤っ!、である。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
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