2014年01月17日

ハコフグの仲間 genus Ostracion

genus Ostracion

海水魚を扱っている熱帯魚店に行くと、直径2〜3cmのハコフグの幼魚に出会うことがある。魚の大きさを示すのに「直径」というのはおかしい気がするのだけれど、実際に見ればきっと納得がゆく。折り紙の風船のような、まるく膨らんだ直方体からおちょぼ口が突き出している。そこにキョロキョロとよく動く目がついているので、わざわざデフォルメするまでもなく何かのキャラクターのようで、愛らしい。

それに加えて、不思議な動き。本体は硬い殻に覆われているので、可動部は尾びれの付け根くらい。あとは近縁のフグやカワハギと同じように、滑らかなひれを全力で細かく震わせて泳いでいる。子どものひれは透明だから、一見ただ丸っこい本体がゆらゆらと漂っているように見える。

けれども、彼らはけっして波間のピンポン玉のように頼りなく揺られているのではなく、実に如意に機械のような精密さをもって泳いでいる。前後上下左右、その場にホバリングと、見ていて心地好くなってくるほどに自由自在。それもそのはず、あの箱型の体は水の抵抗を受け流すのに効率的な設計になっているらしい。2005年には、メルセデス・ベンツがハコフグの体型に着想を得たというコンセプトカーを発表している。

何億年という進化に磨かれたわれわれ生き物の姿には、この世界で暮らす上での合理性とその美しさが詰まっている。そのことがとても面白い。


 
posted by uonofu at 18:00| Comment(0) | 魚の譜
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: